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モディリアーニ ◆ ジャンヌ・エビュテルヌ

画家と恋人たち:モディリアーニとジャンヌ・エビュテルヌ



愛がどんなものか知ってる?本当の愛・・・。

深く愛するがあまり 地獄の苦しみが果てしなく続くわ。

私の(愛)がそう。

 - 映画「モディリアーニ 真実の愛」より



モディリアーニと激しい恋に落ちたジャンヌ・エビュテルヌは

画家の死後から2日後、
集合住宅の5階の窓から飛び降り、自殺してしまうのです。

お腹に、モディリアーニの子を身ごもったまま。。。


1920年冬。

モディリアーニは35歳の若さでこの世を去ります。



アルコール、麻薬に溺れた薄幸な芸術家として知られているモディリアーニ。

1914年ごろ、第一次世界大戦の兵役に、
「病弱だ」という理由で不適格とされたことから

彼に死が訪れるのもそう遠くはないだろうと当時
予測できた人もいたのではないでしょうか。



しかし1920年から約3年前の1917年、

彼の人生に大きく影響を与える一人の女性と出会います。



彼女の名前はジャンヌ・エビュテルヌ。

裕福な家庭に生まれた画家の卵でした。
彼女の描いた作品の一部です。



ジャンヌはカトリック信者だった家族の強い反対を押し切り、
ユダヤ人であるモディリアーニの元へ行きます。

二人はそれほど燃えるような恋におち
ジャンヌはモディリアーニの刹那的な人生を、大きく彩ったのです。


それは、モディリアーニが描いたジャンヌを見れば一目瞭然です。

 

 
描かれたこの女性とモディリアーニが
「特別な関係であった」と、たとえわからなくとも

この女性が画家にとって特別な存在であったことは
多くの人が感じとっていたでしょうね。(^^)

ベルト・モリゾを描いたマネの作品のように、
どうやら愛情は作品に映し出されるようです。


この頃になるとモディリアーニの身体も
随分と衰弱していたのでしょうが

ジャンヌの存在がなければモディリアーニはもっと早くに
亡くなっていたかもしれません。勝手に想像してしまいます。(笑)



ジャンヌとの出会いからモディリアーニの何かが
変わったような印象を受けるのですが

それとは裏腹に、彼の身体は日に日に悪化していくのです。

もはや持病の肺結核による咳をおさえるために
大量の飲酒をおこなっていたモディリアーニ。

時が来るのは時間の問題でした。

ジャンヌも間違いなく感じていたでしょう。

愛する人との別れが、
刻一刻と、近づいていることを。


1919年

ジャンヌは一枚の作品を描きます。
その作品のタイトルは・・・

「死」



ベッドに横たわっているのはモディリアーニではありません。
一人の女性です。

死んだ女性が、誰かに発見されている様子を描いたものなのでしょうか?


ジャンヌはモディリアーニの命があとわずかなことを
感じていました。

そしてもうこの時すでに、
ジャンヌは覚悟を決めていたのです。

”彼のいない世界など考えられない”と。



ジャンヌはさらに、
不気味な絵を描きます。

「自殺」 - 1920年



子供を身ごもった女性が、ナイフで胸を付きぐったりとしています。
目にはすでに、生気がありません。

ジャンヌはお腹の中にいる子供とともに
この世に別れを告げる作品を描きました。



・・・そして1920年1月24日、とうとうこの日が訪れます。

モディリアーニ死去。

ジャンヌは錯乱状態に陥ったといいます。

彼女の性格は、穏やかで内気で
無口で繊細な女性だったとされていますが

そんな女性が気の狂うほどですから、
どれほど画家のことを愛していたのか?

想像するのは容易いことではありません・・・。




その2日後、5階の窓から身を投げ

モディリアーニの元へと旅立ったジャンヌ。

しかしジャンヌの遺族は、ジャンヌの死はモディリアーニのせいだとして
モディリアーニの埋葬されている墓地から遠く離れた墓地へと埋葬するのです。


それからおよそ10年後、ジャンヌの遺族は渋々ながらも
モディリアーニが埋葬されているそばにジャンヌの亡骸を会葬します。

ジャンヌの遺体は、死後10年がたちようやく
愛する人のそばで眠ることができたのです・・・。

モディリアーニとジャンヌのこのお話は、
現地では今も伝説的な扱いをされているらしいですよ。

 

作品も、より味わい深くなりますよね。
二人の作品を、よりたくさん見たいという気持ちになりました。(^^)

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