フランティシェク・クプカ
フランティシェク・クプカ
クプカは幼い頃に母親をなくした影響か、現実逃避し自分の中にこもる傾向がありました。そんな彼が、精神世界に目覚めないはずはありません。
そればかりかクプカは、占星術や錬金術、そしてオカルト的な分野にまで強い関心をもつようになり、寓話的な象徴によって独自の神秘的な世界を描きました。
同じチェコの画家で同世代の画家には、ミュシャがいます。
フランティシェク・クプカの絵画作品
沈黙の道
”終わりのない道へ入ってしまった”という感覚をおぼえます。
この道にはいつか終わりが来る。そんなことは微塵も感じさせない印象です。
中央にひとりたたずんでいるのは、描いたクプカ自身だといわれています。
クプカの描いたこの絵「沈黙の道」には、いくつかのバリエーションがあるそうです。
入り口付近で立ち止まっている人物。後ろを何度も何度も振り返りながら、少しずつ前に進んでいくのでしょうか?いつ終わるかもわからない途方もない道。
前へ前へと進むたび、これでよかったのだろうかと後ろを振り返る。戻ることはできない。進むしかないと、わかっているのに振り返らずにはいられない・・・。
「沈黙の道」
道は何も語ってはくれません。横の石像は人ではなくあくまでも石像にすぎません。
クプカの描いたこの作品は、この種の人の心を見事にとらえているように思えます。
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